ヘッドライトリレー(半導体編)

半導体リレー 雑談
半導体リレー

先般、師匠の工房でヘッドライトブースターを見て、そう言えば師匠に自分で作業するからという理由は複数あった。RZRには閉店されたハイ・サイド製のメインハーネスに入れ換えていたのでそこまで電圧のドロップは無いだろうと踏んでいて、かつ、LANZAに使うのでメカニカルリレーじゃ無くて、ここは一発、小型化ができる半導体リレーにしちゃおうと考えていた。

時短を図るため、先人達のアイデアを参考にするべくにネットにダイブ。
大抵は配線での有利な方を使うため、NチャネルMOSFETを使っている例が多かった。
ただ、この方法を使うと、ヘッドライトコネクタのコモンの極性、つまり共通アースが12Vへ反転してしまうので個人的にはあまりよろしくないと考えている。
昔買っておいたPチャネルMOSFET 2SJ334(60V30A)を取りあえず使う事にした。
1個100円くらいのMOSFETだ。

MOSFETをスイッチ的な使い方で使う。一般的な回路なのだが、当然ながらそのままでは使えない。相手が電球なのでそのまま繋ぐと大きな突入電流が発生する。
電球を60Wと考えると定格は5A程度だが、一般的に電球の投入電流は定格の10倍くらいと言われている、とすると簡易計算でも50Aは流れるので瞬間的とは言え、MOSFETの定格を遙かにオーバーする。
試しに部屋に転がっていたヘッドライトバルブの直流抵抗値を図ると0.3Ω程度だった。
バッテリ電圧を14Vとすると47Aも流れる計算だ。やはり簡易計算の10倍という数字ももまんざら嘘ではない。
実際はオシロを使って計測するのが良いのだろうが、0.3Ωなんて低い抵抗値をもつ抵抗器を持ってない。簡易計算とその裏付けが取れれば十分だ。

定格オーバーを単時間でも繰り返すと当然半導体は劣化するので、ONになる電圧を鈍らせて突入電流の上昇を防ぐ予定だ。時定数を変化させて、トランジスタのベースとエミッタ間にコンデンサでも入れて時間をちょっと引き延ばせばゆっくりとONするので突入電流値はもっと下げられるのではないかと考えている。その回路がトビラの絵だ。昔はこんな回路は思い描くことも出来なかったが勉強の甲斐と先人達の努力とネットの普及でなんとなく理解出来るようになってきた。興味津々な大学生の時に知りたかったのだが、大学の図書館を使っても難しい本ばかりで初歩の初歩を学ぶのに個人の努力ではそこまでの理解が及ばなかったのだ。本当に便利な世の中になりました。

根が貧乏なので相変わらずその辺にあるレシートの裏に設計図などの重要な事を書くクセは直ってない。下手な回路図を見てほしい。
左の12VはヘッドライトのH4ソケットのHIにあたります。
つまり、同じ装置を2個作ってHIとLOに割り当てます。
BATT12Vはソース(S)と抵抗を介してゲート(G)とトランジスタのコレクタに繋がっています。PチャネルMOSFETは、ソース(S)よりゲート(G)電圧のほうが低くなった場合にONなります。そのスイッチのトリガーをNPN型のトランジスタに負わせる訳です。
普通の人はデータシートを読みながら値を決めるようですが、当方はそこに加えて実験君をしながら値を決めていくことになります。

また、サイズに関しても今回は手持ちを使うので大きくなりますが、MOSFETだけでも表面実装タイプに変えれば全体的にちっちゃくなります。
参考写真 秋月電子通商より

2SJ334(60V30A)

MTP4835I3(30V40A)

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