29L電装とOSR-CDI

ドラッグレース仕様RZRに跨がる男 CDI
ドラッグレース仕様RZRに跨がる男

3HMのRZRが原付のようだ。
師匠のドラッグレース仕様のRZRに跨がる男の後ろ姿。

フロントーサさんの踊る純正タコメータの続き。
フロントーサさんのRZRは29L電装、当方は51L電装、師匠に至っては申告で3HMだが中身はよく分からない。
純正CDIからOSR-CDIに変更したところ、29Lには存在しない流用で使われていたヤマハ純正タコメータの挙動が、純正CDIを使っていた時は正常で、高回転(6~7000rpm)でいきなり動作がおかしくなり0に落ちて異常動作してしまうことが試走で発覚。

最初に持っていた疲労困憊で作ったステップタコメータ、オープニング動作をするものの、ピクリとも動かず。まあ、あの体調だと作り間違えたんだろうなぁと次の対策切り分けに一緒に持っていったRR用タコメータを取り付ける。予想に反してRRタコメータに付け替えても同じ動きをすることから、29Lの弁当箱に上手組込まれた電気タコメータは1KTのものと確定されたが動作不良の原因は分からずじまい。

同じ動作をするということはこの変な動きはOSR-CDIに由来することになる、安直に考える前にハーネスも怪しいのでタンクを外して
配線はどうなってる?こうなってる?と三人であーでもこーでもないと考えていたがよく考えたら今回はハンディオシロスコープを持ってきていたのでタコ信号つまり、充電電圧はどのくらい出ているか測ってみることにした。当方、オシロスコープの使い方にはあまり慣れていない。失敗しないように測定レンジを上げ、キャプチャ出来たらレンジを下げていこうとして取りあえず、画面を見ると波形がオーバドライブしてる。感覚的に5~600Vくらい出ているような。。
まてよ?チャージコイルが逆接されてないだろうな。以前、読んだ本家のプログ記事で似たような現象を確認している。配線を確認すると逆説推論は外れていて接続は正常だった。

もしかしてタコメータが高回転で異常な動作なのはタコメータの動作定格を超えているからなのか?
作業場で疑問がふつふつと湧いてくる。

純正CDIからOSR-CDIに変更すると充電電圧は間違いなく上がる。
51L電装で話すと純正CDIで発生する充電電圧は200V前後しか出ていないがOSR-CDIだと350V前後程度出ている。この違いの理由として二つほど推論してる。
純正CDIを構成している部品は旧世代の電子部品、昭和の電子部品だ。
今組み込んでいるのは平成・令和の部品、当然、部品点数も減り特性・効率が良くなっているのは紛れもない事実。特性・効率が良いから発生する電圧も上がるのではないか?
そして一番影響があるのが純正CDIはフラマグ点火のみで点火時にバッテリが上がっていても点火する。OSR-CDIと異なりバッテリからは電源は供給されていない。純正CDI自体を動かしている電気はいずこから?RZRの純正CDIはメーカが売りにしているように初歩的な昭和のマイクロコンピュータが組み込まれているがこのCPUを動かす動力源が充電電圧から作られる電源である。つまり、発生している充電電圧をCDI自体を動かす動力として奪っているので充電電圧がごっそり下がるのだと推測している。

そして確認しなければならないこととして、このRZRは29L電装と思ってるけど、ジェネレータは実は違うって事無いよね?

発売時期が長かったRZRにはクランクケースが最初から最後まで同じなのだが、大人の都合か?はたまた不良品対策か?ロータとジェネレータは世代で違うものが組み込まれており、組み合わせを間違わなければ点火してエンジンは動くという特性がある。とそのことを師匠に投げかけ、当然、そのことは師匠もご存じなことでジェネレータを取り外して確認することににした。
ロータに機種コードが付いていたのは記憶にあるのだがジェネレータはよく覚えていない。
ポッケに流用出来るか?としてYB-1をバラしたときにはジェネレータ基台に機種コードが組み込まれていたがRZRは頻繁に整備している割には全然その記憶がない。
たしか付いていた気がするという曖昧な情報で取り外すことにした。(実際はジェネレータ側に区別出来る刻印はない)
ロータは29L刻印が付いていたことを確認。取りあえずロータを外そうと特殊工具を使って作業をしている師匠が手に伝わってくる感覚がおかしいという。
ロータのテーパー状の穴にクランクシャフトの金属が張り付いていてその感触が外す時に手に伝わって来たそうだ。さすが師匠。。。我々にはその感覚は伝わってこないだろうな。

その取り外したロータの穴を師匠が磨こうとしていたので取りあえず、当方より51Lローターセットを明日なら一式持ってこれるので交換してみよう。師匠も具合悪そうなので作業はせずに部品交換という方法で対応しませんか?と進言すると、師匠いわく、51L一式なら持っているはず。ゴソゴソしたらロータ一式を手に持ってくる師匠。
帰ってから自宅のロータ一式をみたら51Lではなく3HM(1XG)だったのは内緒。(笑)

ここはお宝サイトで何でもあるなぁとフロントーサさんといつも話してはいるが本当に物が溢れている。師匠の手の中にあるロータにはしっかり51L刻印。ジェネレータからのカプラコネクタは見慣れた奴。師匠は壊れてるかもしれないと前置きをしつつ取り付ける。これでジェネレータは51L電装、メインハーネスは29L、CDIはOSR-CDI、タコメータは1KTであり、以前の当方とほぼ同じ構成。これで正常動作しなかったらもうお手上げである。

結果は、みんなでハイタッチしたいほどちゃんと動いた。
皆さんご苦労様である。

その後、師匠から実は3HMのロータ一式は29Lなのねと告白を受ける
ということは予想を遙かに超えた電圧が掛かってる可能性がある。
一度測ってみる必要はあるが測定出来るブツは今の所持っていないのでOSR-CDI側で対応することにする。師匠のRZRは3HM電装なのでタコメータはマイナスから取っている。つまり橙色である。高速連続走行でも無ければドラッグレースくらいでは定格をオーバーしても問題無いと思うが念のため、サイリスタにEOLのSMG16C60Fを準備し、コイルは630V耐圧のものを進呈した。

ステッピングタコも取りあえず動作したのでそのまま渡してきた。
ドラッグレース後に取り付けてくれるだろうと思ってます~!
装着具合を報告して貰いこのHPにネタを提供してらう予定です。

4,5日のお二人の結果が楽しみ。
今日からバイクを掃除しながらゆっくりと養生しようと思います。
激動の日々で結構疲れました。


コメント

  1. フロントーサ より:

    月猫さま、そしてお師匠さま、ありがとうございました。
    ドラッグレース…… ゼロヨン……
    それ、タコメーター無しで?
    スピードメーターは要らんけど……
    エンジンのささやき(音?)だけでシフトすれば良いだけの、
    師匠の言葉にはマジ焦っていたので
    ホッとしましたょ(笑)

    • Mooncat より:

      こちらこそ!
      解決して良かったです。
      大分推定が間違っていたので最初の方は焦っていました。
      音で聞き分けるのはよほど乗り込んでないとやっぱり無しですよね。
      レースの吉報お待ちしてます。