純正タコメータの信号取り出し口としてIGコイルの1次側がよく利用されます。
この場所は便利だけど実は落とし穴があります。
IGコイルから分岐ですから並列回路側の負荷(タコメータ)に点火エネルギーが奪われ点火性能が落ちます。
これに気づいたのは相当初期の段階で阿呆な当方は試作のテスト前の確認として、なんとなく純正タコメータをIGコイルに2つとテスト用をタコメータを繋げてキックしようとしたらエンジンがかからない。
純正タコメータを一つを外すとエンジンがかかる。
電気的な話をすると分岐先の回路が増えたことで合成インピーダンスが低下し、スパークプラグの要求電圧(放電開始電圧)を生成できなくなったことに他ならないのです。
原因は言い換えると点火エネルギーの分散と電圧降下による点火不良というわけです。
最初、何も考えずに、なんで急にかからなくなった??
原因を調べようとして、外して気づくという阿保さ加減。
接続の話でたまに聞く、社外タコメータでIGコイルの他にピックアップコイルから取得との話がありますが、こちらは余計問題です。というのも確かにIGコイルと同程度のエネルギー損失は発生しますがそれ以上の条件次第では点火への悪影響が出てしまいます。フラマグ点火の場合、ピックアップコイル役割担当をエキサイタコイルと一般的には言います。
エキサイタコイルは、CDI内部のコンデンサに蓄えるための高電圧を発電し、CDIに電力を供給する役割を持っていますが、エキサイタコイルにはもう一つ重要な役割があり、発電波形の一部を点火タイミングの基準としています。つまり、ここに余計な回路(入力インピーダンスが低い回路)が接続されると点火タイミングが狂う結果に繋がります。
そのことを踏まえ、点火性能を落とさずに複数分岐させる解決策として昔からある、IGコイルからスパークプラグへ繋がる太いコード(ハイテンションコード)の外側に、ビニル線を数周(5〜10ターン程度)巻きつけてパルスを拾う方法です。
巻き付けた線には発生した磁界による微小な誘起電圧が発生します。
それを増幅させPICに入力できる波形に整形する回路を作りました。
当方が勝手に「漏れ漏れインターフェース(V1)」と名つけている入力回路になります。
この方法は点火回路と電気的に絶縁されているため、分岐をどれだけ増やしても点火性能に一切影響を与えません。当初、ネットにある非接触型のインターフェース回路例を参考にしようと探しますがほとんど見つかりません。昔はたくさんあったはずなのですがジオシティーズがなくなった時に大事な資料が大量に失われてしまったのだと思います。
ヤフー許すまじ。
海外の文献と国内に残ったわずかな事例をもとに最初に作った時は全て手探り状態、手持ちの汎用ICですべての工程を作成したため、巻き付けず、沿わせた配線でも綺麗な信号整形で出力できましたがなんせ大きく場所をとります。
試作した漏れ漏れインターフェースV1の基盤とOSR-CDIの比較(4CH切替テストで使ったOSR-CDI基板)

その後、試行錯誤を加え、増幅部分と信号変換部分を汎用OPアンプに変えそのまま12F1822 へ入力しあとは内部のファームで整形を処理しています。それがV2になります。実績はRRしかありません。
OSR-CDIを使う車両ではPICからタコメータ用信号線が個別に出ているので、この機能を分圧でもして使えばいいのですが対象でない車両では、少しの調整が入りますが漏れ漏れインターフェースが最適解だと思ってます。
とはいえ、IGコイルから取得する方法もちゃんと考えれば無きにしてあらずなのですが、極めて入力インピーダンスの高いバッファ回路を付ければ、単に付けるよりは損失が少なく済むという手法もとれるとは思います。
つまり入り口で極小の電流状態で受け取り、マイコン用の電圧に変換してから使用するということです。
今考えれば同じような手法で異なるのとやはりロスは発生するので完全ではないけれど、許容範囲かなとも思いますがこちらの話は面倒なので今回は割愛します。
前回、ステッピングタコメータのメイン回路の話をしましたが入力インターフェースの話もしたかったので別の話題としました。
落とし穴つながりでもう一つの話題
「現在の問題点は電源消失後の再起動時にVID6608のリセット制御がスカる時があり、位置決めであるオープニングセレモニー動作をすっ飛ばす時がある。再現性がないので困ってる。
VID6608のデーターシート通りに作ってるにもかかわらず今のところ謎。
いつも通りのバグである可能性が非常に高い。」という記述があるが、VID6608に有するバグなどではなく罠でした。
PICマイコンにおいて、ブラウンアウトリセット(BOR)を無効(OFF)にしたことが原因で、
電源の瞬断や電圧低下の後に正常に再起動できなくなる(ハングアップする)現象は、
非常によくある定番のトラブル(罠)と記載がもう笑うしかない。
当方の時間を返せだ。
出展:マイコンのハードウェア設計(リンク)
今回の机上テストでなぜか、VID6608のデータシートを読み違いしていて、パスコンの位置に33μF電解コンデンサを挿入していた。
自分が作った回路図通りに0.1μFのパスコンを入れて、このBORをONにするとアラー不思議
短い間に電源を失ってもちゃんと動作するのではないか。要はVID6608のリセット動作が問題ではなくPICが暴走していたって訳。
バグではなく罠ってのが意外とあるので注意が必要です。
自分で記事にしながら、なぜお前はここで気が付かないのだというヒントも実は見え隠れしています。
暴走状態でないとオープニングセレモニーをすっ飛ばす理由が見つからないという状態異常に気づけよという話に他ありません。何度も同じような罠にひかかっており時間を費やしています。常々、阿保かと思う。
先ほどのリンクはPIC界隈の大御所 「後閑哲也」氏の解説文で、彼の書籍(技術評論社発行)を何本か持っておりHWインターフェースに関する本もキッチリ読んでいたと思っていたが、今回の話は記憶がなくすっ飛ばして読んでいたのであろう。不覚であった。
モードスイッチでもごくまれに誤動作をするときがあり、後閑氏の教え通り対策を追加しチャタリング防止を強化したHW構成。(もろパク オマージュってます)
設定動作の確認動画ではこの回路を使用しています。
更新後のメイン回路


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